【元刑事が解説】探偵に「好きな人」の調査は依頼できる?依頼可能なケースと断られるケース

「一目惚れしたあの人の連絡先を知りたい」
「マッチングアプリで出会って好きになった相手の素性を確かめたい」
「昔好きだった初恋の人が今どうしているか知りたい」
好きな人ができると、相手のことがもっと知りたくなるのは自然な感情です。どうしても自力で情報が掴めず、「探偵に依頼すれば調べてくれるのでは?」と考える方もいるでしょう。
しかし、元刑事の視点から最初にはっきりとお伝えします。原則として、探偵は「一方的に好意を寄せている相手(好きな人)」の身辺調査や所在調査はお受けできません。
この記事では、なぜ好きな人の調査ができないのかという法的な理由から、例外として「依頼できるケース」、そして探偵が絶対にお断りするその他の依頼内容までを詳しく解説します。
原則として「好きな人」の調査は依頼できない

どれほどあなたの「好き」という純粋な気持ちが強くても、また「遠くから見るだけでいい」「プレゼントを送りたいだけ」という理由であっても、優良な探偵事務所であれば一方的な好意に基づく調査依頼はお断りします。
理由は極めて明確で、「ストーカー行為等の規制等に関する法律(ストーカー規制法)」などの犯罪を助長する危険性があるからです。
《探偵業法による厳しいルール》
日本の探偵は「探偵業法(探偵業の業務の適正化に関する法律)」という法律に則って活動しています。この法律の第9条には、以下のような規定があります。
「探偵業者は、当該探偵業務に係る調査の結果が犯罪行為、違法な差別的取扱いその他の違法な行為のために用いられることを知ったときは、当該探偵業務を行ってはならない。」
依頼者自身には全くそのつもりがなくても、対象者(調べられる側)からすれば、見ず知らずの他人に住所や勤務先を調べられることは恐怖以外の何物でもありません。
最悪の場合、調査結果がストーカー事件などの重大な犯罪に発展するリスクがあるため、探偵は厳格な基準で依頼を精査しているのです。
【一覧表】好きな人の調査・依頼できるケースとできないケース

では、恋愛感情が絡む調査はすべて依頼できないのでしょうか。
依頼できるケースと依頼できないケースについて詳しくご説明します。
具体的な状況別「依頼できるケース」と「できないケース」
| 依頼の状況・目的 | 依頼の可否 | 理由・解説 |
|---|---|---|
| 一方的な片思いの相手の住所や連絡先を知りたい | ❌ 不可 | ストーカー行為に該当、または発展する恐れが極めて高いため。 |
| 通勤電車やお店でよく見かける人の素性を知りたい | ❌ 不可 | 上記と同様。面識がない相手の調査は犯罪幇助のリスクがあります。 |
| 元交際相手(元カレ・元カノ)の現在の様子を知りたい | ❌ 不可 | 復縁目的であっても、相手が望んでいない場合はつきまとい行為とみなされます。 |
| 婚約者・交際相手の浮気や素行を調べたい | ⭕️ 可能 | 相互に合意のある関係性であり、結婚詐欺の防止や正当な権利を守るための調査に該当するため。 |
| マッチングアプリで出会い、お金を貸したまま連絡が取れない相手を探したい | ⭕️ 可能 | 「ロマンス詐欺」などの被害に遭っている可能性があり、被害回復という正当な理由があるため。 |
| 初恋の人や昔の恩人にもう一度会いたい、連絡を取りたい | 🔺 条件付きで可能 | 下記で解説する「相手の許可」が得られた場合のみ、情報をお伝えできることがあります。 |
例外として「好きな人」の調査が依頼できるケース
上記の表で「条件付きで可能」としたように、一部の例外においては調査をお引き受けできる場合があります。
トラブル解決などの「正当な理由」がある場合
単なる「好きだから知りたい」ではなく、明確な被害や正当な理由がある場合は調査可能です。
- 結婚を前提に交際しているが、経歴に嘘がある気がする(結婚調査・身元調査)
- 好意を持っていた相手にお金を貸したが、逃げられてしまった(詐欺・金銭トラブル)
これらは、依頼者の財産や権利を守るための調査として合法的に認められます。
「相手の許可(同意)」が得られた場合
「昔好きだった同級生に、どうしても一言お礼を伝えたい」「連絡先が分からなくなってしまった初恋の人に手紙を渡したい」といった純粋な人探しの場合、探偵事務所が独自のガイドラインを設けて対応するケースがあります。
【相手の許可を得る調査の流れ】
1.探偵が対象者(探している相手)の現在の所在を調査し、見つけ出します。
2.探偵から対象者に対して、「〇〇様(依頼者)が、あなたを探しておられます。連絡先や現在の状況をお伝えしてもよろしいでしょうか?」と必ず意思確認を行います。
3.【許可が出た場合】 依頼者に住所や連絡先をお伝えする、または手紙をお渡しします。
4.【拒否された場合】 「相手の方は情報提供を望んでいませんでした」という事実のみを依頼者にお伝えし、住所や連絡先は一切開示しません。
相手のプライバシーを最優先に守ることで、結果的に依頼者様をストーカー加害者にしないための大切な配慮です。
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その他、探偵が絶対に依頼を受けないケース

好きな人の調査(ストーカー目的)以外にも、探偵業法やモラルに基づき、探偵が絶対にお断りする依頼があります。優良な探偵事務所を見極める基準にもなりますので、覚えておきましょう。
DV(ドメスティックバイオレンス)や虐待の被害者を探す依頼
配偶者からの暴力から逃げてシェルター等に避難している被害者の居場所を探す行為は、命の危険に直結するため絶対にお受けしません。
出身地や国籍など、差別に繋がる身元調査
被差別部落の出身であるかどうかなど、不当な差別を目的とした調査(いわゆる「部落探し」等)は、人権侵害にあたるため固く禁じられています。
電話番号や車のナンバーからの違法なデータ照会
「電話番号だけ」「車のナンバープレートだけ」から、違法なルート(名簿業者や不正アクセスなど)を使って個人情報を特定する行為は犯罪です。
合法的な調査手法(尾行や聞き込み等)と紐づかない調査は行いません。
犯罪歴、銀行口座の残高の不正取得
これらも一般の探偵が簡単に調べられる情報ではありません。これらの情報を取得するために警察や銀行の内部情報に不正アクセスをすれば当然犯罪となります。
「簡単に調べられる」と豪語する探偵がいれば、違法業者の可能性が高いので注意してください。
まとめ
『好きな人』について、探偵に依頼できるケースとできないケースを解説しました。
好きな人のことを知りたいというお気持ちは痛いほどわかります。しかし、相手の同意なしに身辺を調べることは、相手の日常を脅かす行為になりかねません。
「好きだからこそ、相手が嫌がる・怖がることはしない」というのも、大切な愛情の形ではないでしょうか。
もし、あなたが相手との間に「金銭トラブルがある」「婚約しているが不審な点がある」といった明確な事情を抱えている場合は、決して一人で悩まず、一度ご相談ください。
元刑事である私たちは、法律の範囲内で何ができるのか、どうすればあなたの不安を正当な形で解決できるのかを一緒に考えます。
相談は無料ですので、まずは現在の状況をありのままにお聞かせください。
