制裁を与えたい!浮気で被害届を出せる?出せない時の裁き方
浮気をされると心に深い傷を負い、被害を被ったと感じる人も多いでしょう。
よく聞く『被害届』というものは出せるのでしょうか?被害届がどのようなものか、そして浮気をされて被害届が出せるケース、また被害届を出せない時に制裁を与える方法についてご紹介します。
被害届とは?
何かしらの被害があった時に出せると思っている方もいると思いますが、何でもかんでも被害があったら出せるわけではありません。被害届とはどのようなものか、まずは簡単に理解しておきましょう。
- 警察に出すもの
- 犯罪の被害を申告するもの
- 条件に該当しない物は受理してもらえない事もある
- 被害届の効果
それぞれ詳しく解説します。
警察に出すもの
被害届の届け先は警察です。
最寄りの交番や警察署で届け出ることができますが、被害届は記載方法が難しい部分もあり、警察官が被害状況を聞き取る形で作成することが多いです。
そのため、人員の少ない交番では時間を取ってもらえない事もあります。
警察署にあらかじめ連絡をして、相談したい旨を伝えるとスムーズです。
犯罪の被害を申告するもの
被害届には、いつ・誰が・どこで・なぜ・何を・どのように(5W1H)、被害を受けたのか記載することになります。
また、被害届は基本的に被害を申告するものであり、申告して受理されたとすれば警察が捜査を開始する可能性が出てくるものの、捜査開始義務が発生するわけではなく、捜査するかどうかは警察の判断となります。
条件に該当しない場合は受理してもらえない事もある
犯罪捜査規範61条1項(被害届の受理)では“ 警察官は、犯罪による被害の届出をする者があつたときは、その届出に係る事件が管轄区域の事件であるかどうかを問わず、これを受理しなければならない。 ”と定めています。
しかし、前提として犯罪が既に発生している事に関している内容で、犯罪が発生していなければ受理の義務がありません。
- 被害が小さい(犯罪にあたらない)
- 事件性のない民事問題 など
こういったケースでは被害届の受理自体がされない事もあります。
被害届の効果
警察が被害届を受理したからと言って即座に捜査を行う義務が発生するわけではありません。
しかし、被害届が受理されれば捜査を行う事もあり、被害状況が明らかになれば禁固刑や罰金が科される事もあります。
ただし、被害届により相手に与えられるのはあくまでも刑事責任であり、罰金が科されたとしてもそれが被害者に支払われるわけではないという点には注意しましょう。
また、被害届は離婚や慰謝料請求の際の保護命令の証拠になります。身の危険がある場合は裁判所に保護命令を出してもらうためにも被害届を出しておいても良いかもしれません。
浮気されて被害届を出せるケース
浮気自体は犯罪ではないので、ただ「浮気をされました」という理由で被害届を出すことはできません。
そのため、浮気行為だけでなくそれに伴って犯罪行為がある時に被害届を出せる事があります。
- 浮気を問い詰めて口論になり殴られた
- 結婚詐欺にあった など
いくら浮気が理由だとしても暴力は誰にも許されない行為ですが、浮気の話から暴力が発生してしまうケースはありますが。被害が大きければ被害届を受理してもらえる可能性があります。
また、実は相手が既婚者なのに結婚をほのめかされて高額な金銭をだまし取られたなどの結婚詐欺の状況でも被害届が出せる事もあります。
浮気された側が被害届を出されるケース
前述したように、浮気+犯罪行為がある場合は被害届を出せることがありますが、あまり多くはありません。
どちらかというと、浮気をされた側の行動により被害届を出されてしまうケースの方が多いので、浮気をされた側であっても次の言動には注意しましょう。
- 暴行、暴力
- 脅迫、恐喝、強要
- 名誉棄損、侮辱
- 迷惑行為
それぞれ詳しく解説します。
暴行、暴力
浮気をされたらパートナーや浮気相手に当たりたくなってしまうかもしれませんが、あなたが暴行や暴力を行えば被害届を出されてしまう可能性もあります。
脅迫、恐喝、強要
浮気された事に苛立ち、パートナーや浮気相手に怒りをぶつけたくなる気持ちも理解できますが、
- 「浮気をやめなければ会社にバラす」と言う(〇〇しなければ××→脅迫)
- 浮気をバラされたくなかったら〇〇円払えと言う(金銭を払わせる→恐喝)
- 浮気相手が会社にいるので仕事を強制的に辞めさせる(強要)
- 無理矢理誓約書を書かせる(強要) など
これらの行為は脅迫罪や恐喝罪、強要罪になる可能性があり、相手が被害届を出す危険がありますので気をつけましょう。
名誉棄損、侮辱
パートナーの浮気を知ったら、相手を陥れたくなる気持ちもわからなくもありません。
しかし、
- 会社に浮気をバラす(名誉棄損)
- SNSに浮気した人として悪口を投稿する(侮辱)
といったような行動を取ってしまうと、被害届を出されてしまう可能性があります。
迷惑行為
パートナーや浮気相手に迷惑をかける行為を行って被害届を出されてしまう事もあります。
- 浮気を調べるために相手をつけまわした
- 困らせようといたずらをした
これらはストーカー規制法違反や各都道府県の迷惑防止条例に違反する行為になることもあり、被害届を出されてしまう事があります。
浮気は不法行為として制裁を与えられる
浮気だけでなく暴行を受けたなど、被害届が出せるものについては出しておくことで保護命令の証拠にもなりますし、示談する時の交渉材料となることもあるので出しておいて損はないでしょう。
ただし、被害届を受理してもらえるケースは限られています。
浮気の制裁を与えたいと考えるのなら被害届を出すよりも、不法行為として慰謝料を請求する方法が確実です。
被害届は犯罪行為がなければ出せませんが、民法上の不法行為に当たる浮気ならば慰謝料が請求できます。
不法行為として慰謝料請求ができる条件
浮気されたことに対して慰謝料請求する場合、どのような条件が必要となるのでしょうか。
- 浮気した人が既婚者またはそれ準ずる者(内縁関係や婚約者)である
- 肉体関係を伴う浮気である
- 損害が出ている
- 故意または過失がある など
浮気を理由に慰謝料請求するには、基本的に婚姻関係のある者が肉体関係を伴う浮気をしたという事実が必要です。
また、それにより損害が発生している事に対しての慰謝料となるので、離婚や別居など夫婦関係が大きな破綻に繋っている事案ほど高額になります。
さらに、浮気が不法行為となるのは故意や過失があるケースです。
たとえば、浮気相手に慰謝料を請求したい場合は、既婚者であることを知っていたか、知ることを怠った場合に請求できることになります。
浮気の証拠の入手は探偵にお任せ
浮気をしたことを認めない人も多いので、確実な証拠がなければ請求も難しくなります。
刑事事件に関しては被害届を出して警察の捜査が始まれば被害者自身が証拠を収集せずとも国家機関である警察や検察、裁判所が証拠の収集を行ってくれることもありますが、民事事件の場合証明責任は訴える側にあるのが原則となっているため、浮気の証拠は自分で収集する必要があります。
しかし、自分で収集すると言っても、パートナーが隠しながら行っている浮気の証拠を掴むのはとても難しいことですし、肉体関係を証明できるものは限られています。
そういった難しい証拠収集は、専門的な知識を持った探偵が行う浮気調査で手に入れる方法が確実です。
まとめ
浮気をされると大きな被害を受けたと感じますので、被害届を出そうと思うこともありますが、浮気だけでは犯罪にならないので被害届を出そうとしても受理してもらえません。
浮気以外の犯罪になるような被害がある場合は被害届を出すことも良いですが、制裁を与えたいのに被害届を出せない場合は不法行為として制裁を与える事を検討しましょう。
また、浮気をされたからと言ってどんな事をしても良い理由にはなりません。被害届を出されてしまえば、自分が加害者として罰せられることもあるので、浮気をされた場合でも行動には気を付けてください。
不法行為として慰謝料を請求する場合に、相手が「浮気をしていない」と事実を否認してくることもありますので、総合探偵事務所アルシュの高い調査技術で入手した浮気の証拠を提示し、確実に制裁を与えましょう。