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結婚前の浮気でも慰謝料請求できる？結婚していなくても請求できるケースと請求する方法
結婚している場合、配偶者が浮気をしたら慰謝料を請求することができますが、結婚していないカップルの一方が浮気をしても、慰謝料は請求できないのが一般的です。
しかし、結婚していなければ絶対に請求できないというわけではなく、慰謝料が請求できるケースもあります。どのような場合に未婚であっても慰謝料を請求できるのでしょうか？また、請求する方法についても詳しく解説していきます。
浮気に対する慰謝料請求の法的根拠
浮気に対する慰謝料請求は、民法第709条に基づく不法行為として請求することができます。
民法第709条は、以下のように定めています。
人は、故意または過失によって他人の権利または法律上保護される利益を侵害したときは、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
民法第709条
つまり、浮気によって配偶者の婚姻関係上の権利を侵害した場合、不法行為として慰謝料を請求することができるというものです。
また、婚姻関係上の権利とは、次のようなものがあります。
- 貞操権: 配偶者以外の者と性的関係を持つ権利を排斥する権利
- 協力義務: 夫婦が協力して家庭生活を営む義務(家事・育児など)
- 扶助義務: 夫婦が互いに生活に必要な経済的資力を提供する義務
- 同居義務：夫婦は原則的に同居する義務があり、配偶者の承諾なき別居は義務違反にあたる
浮気は、これらの婚姻関係上の権利を侵害する行為であり、特に貞操権を侵害する行為として重大な違法行為とされるわけです。
結婚前の浮気でも慰謝料請求ができるケース
婚姻関係にあれば前項の理由により配偶者に慰謝料請求ができますが、結婚していない場合は慰謝料請求ができないという考え方が基本です。
しかし、結婚していないとしても浮気された方からしたら裏切り行為であるには変わりません。
結婚前の浮気でも慰謝料が請求できるケースについて解説します。
- 婚姻関係が成立しているとみなされる
- 相手が既婚者だった
これら2つのケースを具体的に解説いたします。
婚姻関係が成立しているとみなされる
実際に婚姻していないとしても婚姻関係が成立しているとみなされるケースでは慰謝料請求が認められる可能性が出てきます。
どのような場合に婚姻関係が成立しているとみなされるのでしょうか。
婚約している
婚姻届けを提出していないとしても婚約をしている場合は婚姻関係が成立しているとみなされる傾向にあります。
ただし、一方が婚約していると思っていても他方はそう思っていなかったというケースもあるので、具体的な婚約の事実が必要になります。
- 親同士の顔合わせをした
- 結納をした
- 結婚式場の予約済み
- 婚約指輪をもらった(あげた)
- ハネムーン旅行の予約をしている
- 会社を寿退社した
- 新居の賃貸借契約(続柄に「婚約者」と記載されている) など
内縁関係にある
内縁関係を証明したい時、次のような内容があれば内縁関係にあるとみなされやすいです。
- 同居期間が長い(明確な数字として定められているわけではないが概ね3年以上)
- 周囲から夫婦として認識されている
- 家計を同一にしている
- 結婚式を挙げている など
相手が既婚者だった
結婚しようと思っている相手が実はすでに他の相手と結婚しているケースがあります。
ようするに、自分が浮気相手になってしまっていたというパターンです。
1.既婚であることを隠し
2.あなたに結婚することを期待させて
3.肉体関係を持った
という3つの要素がある場合、騙された方は「貞操権の侵害」として相手に慰謝料を請求できるようになります。
ただし、相手が既婚者であるということは、同時に自分が慰謝料請求を受けてしまう可能性もあるという事です。
先述の民法第709条“故意または過失によって他人の権利または法律上保護される利益を侵害した”という内容に該当する場合は慰謝料を請求される側になってしまうので、慰謝料請求をされないためには、既婚者であることを知らなかった理由に『故意』または『過失』が無い必要があります。
たとえば、『相手と出会った場所が結婚相談所だったので既婚者であることを疑う余地もなかった』というようなケースならば、相手の配偶者から慰謝料請求は棄却され相手に貞操権の侵害として慰謝料請求できる可能性があります。
結婚前の浮気に対して慰謝料を請求する方法
結婚前のパートナーに対して慰謝料を請求したい場合、証拠を揃えてから請求します。
1.証拠を揃える
2.請求する
必ず先に証拠を揃えてから慰謝料請求をしないと、証拠隠滅等も考えられるので注意してください。
証拠を揃える
慰謝料を請求したい時は証拠が重要となります。言い逃れのできない確実な証拠を入手しましょう。
結婚前の相手に慰謝料を請求したい場合は次のような証拠が必要になります。
- 婚姻関係があるとみなされるための証拠
- 浮気の事実を明らかにするための証拠
- 貞操権の侵害に該当する証拠
それぞれ詳しく見てみましょう。
婚姻関係があるとみなされるための証拠
結婚前に浮気をされて相手に慰謝料を請求するためには、まず条件として婚姻関係があるとみなされる必要があります。
自分は婚約をしている状態であると認識していたとしても、相手はもしかしたら将来的に結婚したいと思っていただけで約束まではしていないと主張するかもしれません。
その場合は婚約の成立を裏付ける証拠が必要となります。
- LINEやメールのやり取り
- 会社や両親等婚約を知っている人の証言
- 新居の賃貸契約書
- 結婚式場の予約 など
これらは婚約を証明する確たる証拠ではありませんが、こういった複数の証拠があれば婚姻関係にあったとみなされる可能性が高くなります。
また、内縁関係を証明する手段としては
- 世帯を同一にしている住民票 (続柄を「妻(未届)」「夫(未届)」としている)
- 賃貸借契約書 (同居人の続柄が「内縁」と記載されている)
- 給与明細 (扶養手当や家族手当が支給されている)
- 健康保険証 (被扶養者として交付を受けている) など
これらの書類が証拠になりやすいです。
浮気の事実を明らかにする証拠
結婚前の浮気で慰謝料を請求する際に重要となるのは、相手の浮気の事実を明確にすることです。
浮気は「した」「してない」の水掛け論になることがよくありますので、客観的に誰が見ても浮気していると認められる動かぬ証拠が必要です。
また、法的に慰謝料を請求するには、浮気と言っても性行為(不貞行為)のある浮気に限定されます。キスやハグ程度の関係では慰謝料請求ができないので、肉体関係があることを証明しなければいけません。
肉体関係のある浮気の証拠を掴みたい時は、探偵の浮気調査が一番確実で効率的です。
貞操権の侵害に該当する証拠
貞操権の侵害で慰謝料を請求するには次の3つの要件に該当する必要があります。
1.既婚者であることを隠していた
2.結婚を期待させられた
3.肉体関係を持った
結婚しようとしていた相手が既婚者であることを隠していた時は隠していた証拠が必要です。
- 独身と伝えられているLINEや音声のやり取り
- アプリや婚活サイトのプロフィール など
また、相手から結婚を期待させられていたという事情も必要になります。
- 結婚をほのめかすLINE
- 親との結婚のあいさつ
- 同棲していた(住民票) など
さらに、自分と相手との間に肉体関係があったと言う証拠も必要になる可能性があるため
- 相手と性行為があった事がわかる日記やLINEのやり取り
- 旅行に行った時の写真や宿の領収書
- ホテルで一緒に撮った写真 など
これらの証拠をしっかり保存しておきましょう。
請求する
証拠をしっかり揃えたら、次のような方法で慰謝料を請求をします。
- 直接交渉
- 内容証明郵便で請求
- 訴訟
直接口頭にて交渉することも良いですが、内容証明郵便を利用すると請求の意思が強いことも伝わり、さらに記録にも残るので安心です。
しかし、内容証明郵便で請求したからと言って支払いが強制されるわけではないので支払わない相手も中にはいます。
そういった場合は訴訟の手段を取る必要が出てくる可能性が高いです。訴訟においては証拠が重要となりますので、請求する前に証拠をしっかり揃えておいてください。
まとめ
結婚前でも結婚後であっても、浮気をされたら精神的なダメージを受けます。
婚約が成立していたり内縁関係であれば婚姻中と同様に慰謝料請求ができます。婚姻関係があるとみなされる証明と相手の浮気を証明できる証拠を元に、相手に慰謝料を請求することを検討してみましょう。
また、相手が結婚していることを隠していた場合も貞操権の侵害として慰謝料請求できるケースもあります。ただし、こちらは自分も慰謝料が請求されることもあるので注意が必要です。
婚約者や内縁者の浮気を証拠化したい、結婚前に浮気の有無を確認しておきたい、パートナーが既婚者ではないか調べたい等、慰謝料請求を検討する場合は探偵に浮気調査や結婚前調査を依頼することを検討してみてください。
婚約者の素性を調べる探偵の結婚前調査では浮気調査だけでなく身辺調査を行っています。結婚してから後悔することがないように、婚約者の様々な情報を調べる結婚前調査の依頼も総合探偵事務所アルシュでは最近多くなっています。
