独身のフリをする既婚男性の特徴。貞操権の侵害で慰謝料請求するまでの流れ。

「結婚を前提に付き合っていた彼が、実は既婚者だった…」
近年、マッチングアプリや婚活パーティーの普及に伴い、このような「独身偽装」の被害に遭う女性が急増しています。
独身のふりをする既婚男性に騙された精神的苦痛は計り知れません。「私の時間を返してほしい」「奥さんから逆に慰謝料を請求されないか不安」とパニックになるのも当然です。
しかし、泣き寝入りする必要はありません。独身と偽って肉体関係を結ぶ行為は「貞操権の侵害」にあたり、慰謝料請求の対象となりえます。
本記事では、数多くの男女トラブルを解決に導いてきた元刑事の探偵が、既婚者が独身のふりをする際の特徴から、慰謝料請求に向けた具体的な流れまでを解説します。
なぜ既婚者は「独身のふり」をするのか?その心理と手口

そもそも、なぜ既婚男性は独身偽装をしてまで女性と付き合おうとするのでしょうか。 その心理の根底にあるのは「遊びたいが、面倒な家庭のトラブルは避けたい」という身勝手な欲望です。
最初から「既婚者」と明かせば、真面目な恋愛を求めている女性からは相手にされません。だからこそ、マッチングアプリのプロフィールを「未婚」と偽り、巧妙に独身のふりをして近づいてくるのです。
特に、結婚願望の強い女性の心理を逆手に取り、「いい人がいればすぐにでも結婚したい」「将来は〇〇に住みたいね」などと甘い言葉を囁くのは、独身偽装の常套手段と言えます。
【元刑事の視点】独身のふりをする既婚男性に見られる7つの特徴

相手が本当に独身かどうか、少しでも違和感を覚えたら以下の特徴に当てはまらないかチェックしてみてください。嘘を隠し通すことは難しく、必ずどこかに綻びが出ます。
土日や休日に会えない・連絡が取れない
家族サービスの時間である週末や大型連休は、連絡の頻度が極端に落ちます。「休日は趣味に没頭したい」「仕事が忙しい」などと理由をつけて会うのを避ける場合は要注意です。
イベントの日(クリスマス、年末年始など)を一緒に過ごせない
家族との行事が優先されるため、誕生日やクリスマス当日に会うことができません。常に「前倒し」や「後日」のお祝いになるのは、既婚者の典型的なパターンです。
絶対に自宅に呼んでくれない・住所を教えない
「実家暮らしだから」「部屋が散らかっているから」と頑なに自宅へ招こうとしません。また、免許証などの身分証明書を見せることや、正確な住所を教えることを極端に嫌がります。
SNSを教えてくれない・不自然に更新が止まっている
家族の写真や既婚者であることがバレるのを恐れ、個人のSNS(InstagramやFacebookなど)を教えません。「SNSはやっていない」と嘘をつくケースも多々あります。
デートの場所が常に郊外、または密室(ホテルや車内)
妻や知り合いに遭遇するリスクを減らすため、人が集まる繁華街でのデートを避けます。待ち合わせを現地にしたり、すぐにホテルや自宅(女性の部屋)に行きたがる傾向があります。
夜遅い時間帯の電話に出ない
夜間は妻や子供が近くにいるため、電話に出られません。常に「LINEのみ」でのやり取りを強要したり、電話をする際も「今は外にいるから」と不自然な状況であることが多いです。
将来の具体的な話(両親への挨拶など)をはぐらかす
結婚を匂わせる発言はするものの、「いつ両親に挨拶に行くか」「どんな所に住むか」といった具体的な計画になると、途端に話を逸らしたり不機嫌になったりします。
独身偽装が発覚!「貞操権の侵害」で慰謝料は請求できる?

「独身だと言っていたのに、実は結婚していた」という事実が発覚した場合、法的に相手の責任を追及することは可能です。
貞操権の侵害とは
貞操権とは、「誰と肉体関係を持つか、自らの意思で決定する権利」のことです。
相手が「既婚者である」と知っていれば、当然肉体関係は持たなかったはずです。「独身である」という嘘(独身偽装)によって、女性の正しい判断の機会を奪い肉体関係を持った場合、この「貞操権」を侵害したとして不法行為(民法第709条)が成立します。
慰謝料請求が認められる条件
慰謝料請求が認められるためには、以下のポイントが重要になります。
- 相手が独身だと偽っていたこと(または独身だと信じるに足る正当な理由があったこと)
- 肉体関係があったこと
- 騙されたことによって精神的苦痛を受けたこと
「結婚の約束(婚約)」まではしていなくても、マッチングアプリのプロフィールや日常のLINEのやり取りで「独身である」と明言していれば、貞操権の侵害として慰謝料請求が認められる可能性は十分にあります。
貞操権侵害の慰謝料相場
慰謝料の金額は、一律ではありません。過去の判例や実務上の目安をまとめると、状況に応じて以下のような相場になります。
| 被害の状況 | 慰謝料の相場(目安) |
|---|---|
| 一般的なケース(交際期間が短く、妊娠などがない) | 50万円 〜 100万円 |
| 悪質なケース(長期間の交際、婚約の約束があった) | 100万円 〜 200万円 |
| 重大な被害があるケース(妊娠・中絶・出産に至った) | 200万円 〜 300万円以上 |
慰謝料が「増額」されるポイント
相手がいかに「計画的に騙していたか」を立証できれば、慰謝料を相場より引き上げられる可能性があります。
- 独身証明書や身分証の偽造
アプリ登録のために書類を偽造していた場合、悪質であったとみなされやすいで
す。
- 婚約の事実
「結婚しよう」という具体的な言葉があった、指輪を贈られた、親族に紹介された等の事実は、期待を裏切られた苦痛を増大させます。
- 妊娠・中絶
身体的・精神的な負担が甚大であるため、最も高額化しやすい要因です。
- 発覚後の不誠実な対応
既婚だとバレた瞬間にブロックして逃げたり、「騙される方が悪い」と逆ギレしたりする態度は、慰謝料増額の事由になりえます。
※【重要】相手の妻から「不倫」として訴えられないか?
独身偽装の被害者が恐れるのが、相手の奥さんからの慰謝料請求(不倫の慰謝料)です。
しかし、あなたが「相手が既婚者であることを知らず、かつ知らないことに過失がなかった(信じるに足る正当な理由があった)」ことが証明できれば、法律上、不倫(不貞行為)の責任を負う必要はありません。むしろ、あなたは加害者ではなく、完全に「被害者」なのです。
独身偽装を理由に慰謝料請求するまでの具体的な流れ

泣き寝入りせず、正当な慰謝料を請求するためのステップを解説します。
絶対にやってはいけないのは、証拠を揃えられていないうちに感情に任せて直接相手を問い詰めることです。警戒され、証拠を隠滅される恐れがあります。
ステップ1:証拠を集める(最重要)
まずは、相手が「独身だと偽っていた証拠」と「肉体関係があった証拠」を確保します。
- 独身偽装の証拠
マッチングアプリのプロフィール画面(「未婚」となっているもの)のスクリーンショット、独身を装うLINEのやり取り、婚活パーティーの参加履歴など。
- 肉体関係の証拠
ホテルで撮った写真、旅行の予約控え、肉体関係があったことが客観的にわかるLINEのやり取りなど。
ステップ2:相手の本当の身元を特定する
独身と嘘をつく人間は、名前(偽名)、年齢、職業、住所なども嘘をついているケースが多いです。
慰謝料を請求するためには、内容証明郵便を送るための「本名」と「自宅住所」または「勤務先」を正確に特定する必要があります。
ステップ3:内容証明郵便の送付
証拠と身元情報が揃ったら弁護士に依頼し、相手の自宅宛に慰謝料を請求する旨を記載した内容証明郵便を送付します。※場合によっては職場に送る事も可能ですが、注意が必要。
これにより、相手に本気度を伝え、法的なプレッシャーを与えます。
ステップ4:交渉・示談成立(または訴訟)
相手が事実を認めれば、慰謝料の金額や支払い方法について交渉を行います。合意に至れば示談書を作成します。
相手が無視したり、嘘をつき通そうとする場合は、裁判(民事訴訟)へと発展します。
探偵事務所が独身偽装の調査でできること

「相手の住所がわからない」「名前すら本当かどうかわからない」「証拠をどう集めればいいか不安」という場合は、プロの探偵への依頼が解決の近道です。
- 相手がどこに帰宅するのか(本当の自宅)
- 妻帯者である証拠(家族との生活実態)
- 本当の勤務先 など
慰謝料請求に必要な情報を、合法的な尾行や張り込みによって特定します。
また、貞操権の侵害で慰謝料請求をする際、逆に相手のパートナーから慰謝料を請求されるリスクもあります。(※自身が騙されていたことを証明できれば、慰謝料支払いの義務は発生しません。)
相手が逆上してトラブルになるのを防ぐためのアドバイスや、法的手続きへスムーズに移行するための信頼できる弁護士への引き継ぎも可能です。
まとめ
「独身のふり」をして女性の心と身体をもてあそぶ行為は、決して許されるものではありません。
「騙された私がバカだった」「相手の奥さんから不倫だと慰謝料を請求されたらどうしよう」と一人で抱え込み、自分を責める必要も泣き寝入りする必要もありません。
あなたには「貞操権の侵害」として相手の責任を追及する正当な権利があります。
相手の不審な行動に気づき、独身偽装の疑いがある場合は、まずは冷静に証拠を集めることが第一歩です。
ご自身での対処が難しいと感じたら、確実な証拠を掴むプロである探偵や、法的手続きの専門家である弁護士に相談してください。
