社内不正は放置しない!不正の種類と対処法。不正調査のメリットは?
社内の不正調査を行う企業が増加しています。不正を放置しておくと、エスカレートしていき、企業に大きな損失を与えることもあります。
大事にならないうちにしっかりと調査を行って、早めに対処しましょう。
本記事では社内不正の種類と対処法、そして不正調査を行うメリットについてご紹介します。
社内における不正の種類
従業員の不正行為は、企業にとって大きな損害となるだけでなく、企業イメージを毀損し、法令違反に繋がる可能性も高いため深刻な問題です。
近年では、情報化社会の進展に伴い、不正行為の形態も巧妙化・多様化しており、企業はより一層の対策が求められています。
社内の不正とはどのようなものがあるのでしょうか。不正行為となるいくつかの行為を挙げます。
- 横領・窃盗:会社の金銭や財産を盗み取る行為
- 情報漏洩:会社の機密情報や顧客情報などを外部に漏洩する行為
- 業務上横領:業務上の地位を利用して、会社に不利益を与える行為
- 贈収賄:業者から賄賂を受け取る行為
- 架空売上・架空経費: 実際には存在しない売上や経費を計上する行為
- 架空請求:架空の取引を持ちかけて、会社から金銭を騙し取る行為
- データ改ざん:会社の経理などのデータを改ざんする行為
- 業務怠慢:本来やるべき業務を怠る行為
- セクハラ・パワハラ:職場で優位な立場を利用して、他の従業員に嫌がらせをする行為
- 労務基準法違反:残業代を支払わない、休憩時間を設けないなどの行為
社員に不正の疑いがある時の対処法
社員に不正行為が疑われる場合、会社は迅速かつ適切な対応をすることが重要です。一般的な対処法の手順は次の通りです。
1. 事実関係の把握
社内の不正は内部通報、監査、顧客からの苦情などから情報が入り発覚に至ります。社内不正の疑いが発生した場合、まずは情報に基づいて、不正行為の内容、状況、被害額などを把握します。
2.情報の記録、保全
不正の証拠がある場合は保全します。例えば防犯カメラの映像や音声データ、書類やメール等が証拠として挙げられます。それらの記録は失わないようにコピーやバックアップを取り、証拠としてしっかり厳重に管理し、保全しておくことが重要です。
3. 証拠の収集
証拠が不十分な場合や情報のみで証拠がない場合は証拠の収集が必要です。
現段階の情報に基づいて、不正行為の証拠を収集します。
4. 関係者へのヒアリング
不正行為に関与した疑いのある社員や、不正行為について知っていると思われる関係者から事情を聴取します。
聴取を行う際には、どういった関係者にどのように聞き取りを行うか慎重に判断する必要があります。
5. 関係機関への報告
法令違反が疑われる場合は、迅速かつ正確に警察や労働基準監督署など関係機関へ報告が必要となるケースもあります。
6. 関係者への対応
不正行為に関与した社員に対しては、懲戒処分を行うことができます。
ただし、懲戒処分を行う場合、あらかじめ就業規則に懲戒の種類と事由を定め、それを社員に周知しておかなければいけません。(労働基準法第89条9号)
就業規則で周知していない理由で懲戒処分を与えることはできないため、懲戒の事由となる証拠の収集が重要となります。
また、違反や違法行為として法的な判断が必要な場合は、弁護士への相談することもあります。
7. 原因分析
調査した結果に基づいて、不正行為の原因を分析します。
原因としては、内部統制の不備、倫理観の欠如、業務上のストレスなどがあります。
8. 再発防止策の策定
原因分析に基づいて、再発防止策を策定します。
再発防止策としては、内部統制の強化、教育・研修の実施、情報セキュリティ対策の強化などがあります。
不正調査を行うメリット
不正調査は、企業にとって様々なメリットをもたらします。主なメリットは次の通りです。
損害の拡大、再発防止
不正行為が放置されると、被害は拡大する一方です。不正調査を迅速に行うことで、被害の範囲を把握し、拡大を食い止めることができます。
また、不正調査を通じて不正行為の原因を特定し、再発防止策を講じることができます。再発防止策には、内部統制の強化、教育・研修の実施、不正通報制度の整備などが含まれます。
不正行為者の処分の検討
不正調査の結果に基づき、不正行為者に対して懲戒処分を行うかどうかを検討することができます。
証拠収集
不正行為がある時、就業規則に則り処分を行う場合や民事・刑事上の責任追及を行うためには証拠が重要となります。不正調査を通じて、不正を明らかにする証拠を収集することができます。
法令遵守
不正行為の内容によっては法令違反となる場合があります。不正調査を行い、法令違反の有無を明らかにすることで、法的なリスクを回避することができます。
社員士気の向上
不正行為が放置されると、健全な企業文化が損なわれ社員の士気が低下してしまう事もあります。不正調査を行い毅然とした対応をすることで、社員の士気を向上させることができます。
風通しの良い職場環境の実現
不正調査を行うことで、社員が不正行為をしやすい雰囲気ではないことを示し、風通しの良い職場環境を実現することができます。
探偵による不正調査の方法と事例
事実関係の調査をすることや証拠の収集は探偵が得意とする分野です。
不正調査は自社で行う事も可能ではありますが、真相が知れないことや確実な証拠が入手できない、または調査に気づかれ証拠を隠ぺいされる等のリスクを伴うため、プロの調査機関である探偵の不正調査を利用することをおすすめします。
不正調査の方法
探偵の不正調査は、不正の内容に合わせて必要な調査を行います。
また、調査対象者のプライバシーに配慮する必要があるため、探偵は法令を遵守した上で慎重に調査を行わなければなりません。
1. 情報収集
- 関係者への聞き込み
周辺人物への聞き込みを行い情報収集を行うことがあります。ただし、不正を行っている人物に調べていることが伝わると証拠の隠滅や強い警戒心によって証拠の入手が困難になってしまう危険があるため、聞き込みは極めて慎重に行うか、行わない事もあります。
- 潜入調査
事案によっては必要な場所へ潜入し情報を収集することもあります。
2. 行動調査
- 尾行
不正行為を疑われている人物を尾行し、行動を監視します。どのような行動を取り、どのような人物と接触しているかなどがわかります。
- 張り込み
不正行為が行われていると思われる場所を張り込み、不審な人物や動きがないかを観察します。
- 盗聴
不正行為が行われていると思われる場所を盗聴し、会話の内容を録音します。
3. データ調査
PCや社用携帯から削除された履歴やファイルを復元し、不正を明らかできる事もあります。
探偵による不正調査の事例
実際に探偵へ不正調査を依頼しているのはどのような時でしょうか?
次のようなケースがあります。
- 営業職員の成績が急に落ち込んだ
- 在宅勤務中の私用外出の疑い
- ライバル社との接触による顧客情報漏洩の疑い
- 社内にパワハラ・セクハラがある
- 労災や休業補償利用者の詐病
- 副業を禁止している企業からの副業調査
- 通勤経路の虚偽申告
- 出張費など経費の私的流用 など
小さな問題でも積み重なる事で大きな損害となることもあります。問題が大きくなる前に社員の不正行為は早めに証拠化して対処することが大切です。
まとめ
社員や従業員が『業務をサボっている』『経費を横領する』『ライバル企業に情報を漏らしている』『パワハラで社員が次々とやめてしまう』など、不正行為の種類は多く、どこの企業でも起こりうる身近な問題です。
放置すると良い事は何もありませんが、不正調査を行って適切な対処をすることにより損害の拡大・再発防止、職場の環境が整って社員の士気も上がるなど企業には欠かせないメリットが得られます。
また、探偵の採用調査を行い事前にリスク回避するという事を検討してみるのもおすすめです。
総合探偵事務所アルシュでは、不正調査や採用調査などの相談や見積もりを無料で行っています。また、顧問契約も可能となっていますので、定期的に探偵の調査を利用したい等ご希望の際はお気軽にお問い合わせください。