慰謝料請求は慎重に!不倫がわかっても慰謝料請求しない方が良いケースとは?
パートナーの不倫は頭を悩ませる問題です。慰謝料を請求して早急に解決したいと考えるかもしれませんが、状況によっては慰謝料請求が混乱を招いたり問題が複雑化する可能性もあります。
慰謝料請求のメリットデメリットや慰謝料請求をしない方が良いケースについて知っておきましょう。
慰謝料請求のメリットとデメリット

パートナーに不倫をされてしまった時、ただちに慰謝料請求の事が思い浮かぶ人もいるかと思いますが、慰謝料請求をすることによるメリットデメリットについて知っておいた方が良いでしょう。
慰謝料請求のメリット
慰謝料請求はメリットがあるからこそ行なうものです。どのようなメリットがあるのでしょう。
- 経済的な補償
- 相手に責任と反省を促す
- 自分自身の正当化
それぞれのメリットを詳しく解説します。
経済的な補償
慰謝料請求が認められれば相当の慰謝料がもらえる事になります。不倫によって受けた精神的苦痛は当事者にならないと想像もできないほど大きなものになる事だってあります。
慰謝料は受けた損害の大きさに比例しますが、不倫を原因に離婚することになった場合では100~300万円程度が相場となっています。
ストレス発散のために買い物するなり旅行に行くなり自由にできます。
離婚して一人で子供を育てていく事になったり、精神的に受けたダメージの治療が必要になるケースもありますが、そういった際の資金に充てる事もできるようになるでしょう。
相手に責任と反省を促す
慰謝料請求はまず相手に不倫を認めさせる事となります。
『慰謝料が発生するほどのことをしてしまった』という自覚を持たせ、その行為に対する責任を感じさせることで反省に繋がるはずです。
自分自身の正当化
時折、不倫した人から『不倫されるようなことをする奴が悪い』と言われてしまうケースもあるので、パートナーが不倫されたのは自分のせいだと思ってしまう人もいます。
ですが、決してそんなことはなく、慰謝料請求が認められることにより『やっぱり自分は悪くない、悪いのは不倫した人なんだ』と改めて認識し心の安定を取り戻す事ができるでしょう。
慰謝料請求によるデメリット
慰謝料を請求する事によるメリットがある一方、デメリットもあります。メリットだけではなくデメリットについても知っておきましょう。
- 精神的な負担
- 人間関係の悪化
- 長期化する可能性
- 経済的な負担
それぞれ解説します。
精神的な負担
証拠集めや相手との交渉は、精神的に大きな負担となります。
過去の出来事を何度も思い出す必要があり、相手の不倫の真相を深く知れば知るほど心の傷を大きくしてしまう可能性もあるでしょう。
人間関係の悪化
慰謝料請求は、相手との関係が悪化する場合があります。それが離婚を意味する事もあるでしょう。また、夫婦間だけでなく子供や周囲の人間関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
長期化する可能性
証拠が不十分であったり相手が支払いを拒否した場合など、裁判に発展し長期間解決しないことがあります。
慰謝料請求で裁判になった場合、判決が出るまでにかかる期間は平均的に半年~一年程度と言われていますが、場合によってはそれ以上になることもあります。
長期化する場合は、精神的な苦痛が続き疲労が蓄積され、日常生活に支障が出ることもあるでしょう。
経済的な負担
慰謝料請求が当事者同士でまとまらないケースでは訴訟のための弁護士費用や訴訟費用など、経済的な負担が大きくなることがあります。
慰謝料請求しない方が良いケース

前項で解説した通り、慰謝料請求にはメリットもデメリットもあります。
パートナーが不倫をしているとすぐに慰謝料請求をしようと考えるかもしれませんが、慰謝料請求は状況に応じて慎重に行う事が大切です。
パートナーが不倫をしていたとしても、次のようなケースでは慰謝料請求が望ましくないので注意しましょう。
- ダブル不倫
- 離婚しないで再構築を目指す
- 相手の暴力が考えられる
- きっぱり縁を切りたい
- 証拠に問題がある
それぞれ解説していきます。
ダブル不倫
パートナーと浮気相手がどちらも既婚者である場合はダブル不倫になります。
パートナーや浮気相手に慰謝料請求する事はできるのですが、相手側の配偶者からパートナーに慰謝料を請求される可能性があります。
特に、あなたとパートナーが離婚をしない場合はパートナーに請求されたものは同じ家計から捻出することになる可能性もあるでしょう。
また、離婚する場合の慰謝料が100万円~300万円程度の相場に対して離婚しない場合の慰謝料相場は数十万~100万円程度です。お互いの離婚有無が同じなら相殺される可能性もありますが、浮気相手の夫婦が離婚、こちらが離婚しないとなれば請求される金額の方が大きくなる可能性が高くなってしまいます。
離婚しないで再構築をする
慰謝料請求は夫婦関係を更に混乱させることがあります。大きな金銭が関わってくると感情的になる事もあり、かえって関係の崩壊を起こしかねません。
先にも触れましたが、離婚しない場合の慰謝料は比較的低額に収まる事もあって夫婦間の金銭の動きがあまり意味を持たない事もあります。
そういった点を踏まえると不倫をされても離婚せずに再構築する場合は慰謝料請求をせずに再発防止に努める程度で済ますことが望ましいケースもあります。
関連記事:浮気の再発を防ぐための有効な手段。浮気調査後の誓約書作成ガイド
相手からの暴力が考えられる
DVなど、暴力的なパートナーの場合は慰謝料を請求する事でさらに悪化する事があります。
慰謝料請求をすることによって肉体的・精神的なダメージが大きくなってしまう可能性がある場合は慰謝料請求をしない、または一旦身の安全を確保してから請求することが望ましいでしょう。
きっぱり縁を切りたい
慰謝料請求をすることになった場合、慰謝料が高額になると一括での支払いが難しく分割での支払いになる事が多々あります。
定期的に振り込んでもらう等の方法になるかと思いますが、その度に不倫の事を思い出したり、入金されているかを気にしたり、思っているよりも精神的な負担になる事もあります。
きっぱりと縁を切りたいというのなら、離婚するだけで慰謝料請求をしない方が良いかもしれません。
証拠に問題がある
不倫に対する慰謝料請求をする場合、証拠が重要です。証拠が無ければ不倫を認めない可能性もありますし、証拠があっても不倫していると確実に言い切れない中途半端な証拠の場合は言い逃れされてしまう事だってあります。
不倫を立証できなければそもそも慰謝料が認められない可能性があり、不倫を認めさせる事に時間がかかってしまったり訴訟が長引くなど、慰謝料請求をしてもなかなかメリットが得られずデメリットの部分ばかりが重くのしかかる事になりかねません。
また、その証拠が違法に入手したものであったら、逆に訴えられる危険さえあります。
慰謝料請求するなら確実な証拠を!
パートナーの不倫に対して慰謝料を請求するのなら、請求した時のデメリットとデメリットをよく比較しその価値があるかどうかしっかり考えてから請求するようにしてください。
もし慰謝料を請求するのなら、長期化して負担が大きくなることを避けるために確実な不倫の証拠を入手しましょう。
もし不倫の証拠が無い時や不十分な証拠しか得られていない場合は探偵の浮気調査がおすすめです。
探偵の浮気調査なら相手が不倫を認めざるを得ないような確実な証拠を入手しますし、訴訟でも使える調査報告書を作成しますので活用する事ができるでしょう。
関連記事:探偵の作成する調査報告書ってどんなもの?書かれている内容と活用方法
まとめ
パートナーの不倫に気が付いたとしたら慰謝料請求を検討してみると良いです。
しかし、慰謝料請求にはメリットだけでなくデメリットも存在します。
様々な状況を考慮し、慰謝料請求するべきかしないべきか判断してください。
- ダブル不倫
- 離婚しないで再構築を目指す
- 相手の暴力が考えられる
- きっぱり縁を切りたい
- 証拠に問題がある
このようなケースでは特に慰謝料請求をしない方が良いか、どのように請求をしていくかなどを慎重に判断する必要があります。
不安がある場合は不倫問題の専門でもある弁護士や探偵に相談しながら対処していくと安心です。
