探偵にストーカー調査を依頼するとなにをしてくれる?警察との違い
ストーカー規制法が施行された後も、ストーカー被害にあう人は後を絶ちません。
警察に行けばなんとかしてくれるだろうと期待しても、相談だけで終わることが多いのですが、そのような時には探偵が頼りになります。
そこで、探偵がストーカー対策でどんな活躍をしてくれるか、なぜ探偵にストーカー調査を依頼すべきなのか、わかりやすく解説していきます。
ストーカー被害にあったらどうする?
ストーカー行為がエスカレートしてくると、その被害内容は、「職場に押しかけて大声で喚き散らされた」、「自宅や職場に動物の死骸などを送りつけてきた」、「家の中をずっと監視されている」、「盗撮されたり盗聴器を仕掛けられたり」など、平穏な生活が不可能になるほど深刻なものになってきます。
そうなると、生活する上でも精神的にも追い詰められ、「どうにかしなければ……」と焦るばかりです。そこで、まずはストーカー被害にあったらどうすべきかをご紹介しましょう。
警察に相談する
まず警察に、ストーカー被害について相談しましょう。その際には、いつどのようなつきまとい行為があったのか、実際にストーカーから送られてきた手紙や荷物といった、ストーカー行為を証明できるものがあると良いでしょう。
ただし、相談を受け付けたからといって、警察がすぐに動いてくれるわけではありません。警察が動くには、事件性の高さと本当にストーカー行為が行われているという確証が必要です。
そうした証拠が用意できなかったとしても、まず警察には相談しておいた方が良いでしょう。
探偵に相談する
警察に相談しても、相談だけで終わることが多く、まだ初期段階でなにも確証がない状況だと、なおさら警察は動いてくれません。警察が動くにはそれなりの根拠が必要なのです。
しかし、探偵は依頼があるなら、すぐに動きます。警察官のように腰が重いということはありません。微細な兆候でも、本当にストーカー被害なのかわからない状態でも、実情を明らかにするための調査が行われるでしょう。その調査結果がストーカー行為の実態を示す証拠となり、警察が動き出すことも期待できます。
過剰に反応しない
ストーカーが被害者につきまとい行為を執拗に、ある意味で熱心に繰り返すのは、恋愛感情またはそれに類する感情から被害者と特別な関係になりたいという願望が原動力です。一般的な恋愛感情と同様に「姿が見たい」「声が聴きたい」「少しでも関わりを持ちたい」「相手のことをもっと知りたい」という気持ちがあります。
たとえば、ストーカーからかかってきた無言電話に対して「どうしてこんなことをするんですか?」とか「もうやめてください。」などというと、ストーカーに声を聴かせてあげたことになるのです。つまり、反応することで、むしろストーカーの願望を少し叶えたことになります。
また、ストーカーに対して過剰に反応した場合、たとえば、ストーカー行為をやめさせようと、強く反撃に出たりすると、逆上して攻撃的になる可能性があります。そのため、むやみに反応せず冷静な対応を心がけましょう。
一人で外出しない
これまでにあったストーカー被害の実例を振り返れば、その中には殺人事件に発展したケースがいくつか見られます。今は無言電話やメール程度だったとしても、ストーカー行為がどこまでエスカレートするのかわかりません。
したがって、ストーカーは今まで以上になにか大胆な計画を立てているかもしれないのです。そして、それを実行に移すチャンスをうかがっている可能性があると考えておきましょう。
そのような中で、一人で外出するのは、ストーカーにチャンスを与えることになります。そのため、一人での外出は可能な限り控えるべきです。どうしても外出しなければならない時は、誰かと一緒に外出するか、人が少なくなる夜間は避けて、人通りの多い道を選ぶようにしましょう。
「警察」と「探偵」できることの違い
警察はストーカー規制法第4条に基づき、ストーカーに対して「これ以上ストーカー行為をやってはならない」と警告する権限を持ちます。また、逮捕および送検する権限もあります。
それに対して、探偵は民間人ですから、警察のような権限はありません。つきまとい行為をしている人物はいないか、いるとすれば誰なのか、盗撮や盗聴はされていないかなどを調査し、証拠をもって実態を明らかにするのが仕事です。
警察にストーカー被害を報告するには
警察に相談するのは簡単ですが、どのようなストーカー被害にあっているのかを、警察に伝えるのはなかなか大変です。
「知らない人から何回も電話がかかってきました、きっとストーカーです」これだけでは「もしかしたらストーカーかもしれない」という程度であり、実際はどうなのかはっきりとわかりません。
いつどのようなストーカー被害を受けたのか、その証拠とともに詳細な実態を報告しなければ、警察にそれがストーカー規制法の対象であると伝わらないのです。
決定的な証拠を得るために探偵に依頼する
実際にストーカー被害にあっていたとしても、その詳細な被害実態を自力で調べ上げることは、かなり難しいといえるでしょう。なぜなら、被害者本人が、どんなストーカー被害を受けているのか、全てに気がついているとは限らないからです。
ストーカーが自宅の近辺をうろうろしていても、被害者がそれに気がついていないことがあります。被害者宅に届いた郵便物をストーカーが盗んでいても、それに気がつかないこともあります。
また、被害にあった日時と内容を几帳面に記録している人は、どれほどいるでしょうか。「また無言電話だ、これで何回目だろう」と、過去の被害について、日時など具体的なことは忘れてしまっているものです。
そこで、探偵に調査を依頼するのです。その調査によって、被害者本人も気がついていないストーカー被害の実態が、証拠とともに明らかになるでしょう。
それを警察に持って行けば、「これは間違いなくストーカー規制法の対象である」と認識してもらえるのです。
探偵にストーカー調査を依頼するとなにをしてくれる?
ストーカーに対して、ストーカー規制法に基づいた対処ができるのは警察です。しかし一方で、警察が人の自由な活動に介入するには法的根拠が必要で、そう簡単に動いてはくれません。
もし警察に相談しても、相談だけで終わってなにもしてくれない時、やはり頼りになるのは探偵です。まだストーカーかどうかわからないという段階でも、探偵ならば調査してくれるでしょう。
ところで、もし探偵にストーカー調査を依頼すると、具体的にどのようなことをしてくれるのでしょうか。その調査項目の代表的なものを三つご紹介しましょう。
犯人を特定する
元恋人、元配偶者がストーカーになるケースもあります。また、近所に住む者がストーカーとなるケースもあるでしょう。このような場合、ストーカーは誰なのか、既にわかってる可能性があります。後は探偵の調査によって、「間違いなくその人物が加害者である」ことを示す証拠を入手すれば良いわけです。
しかし、SNSやマッチングアプリで見つけた相手につきまとうストーカーの場合は、それが誰なのか見当もつきません。被害者周辺につきまとうストーカーを尾行し、その住所と氏名など身元を確認することで、ストーカーが誰なのか明らかになります。
盗聴器が設置されていないかの確認
ストーカーから届くメールやメッセージ、その内容がどう考えてもおかしい、ということがあります。細かな生活状況や今後の予定など、ほとんど誰も知らないはずのことをなぜかストーカーが知っている、そのような内容のメールやメッセージが届くケースがあるのです。
この場合、まず警戒すべきは盗聴器でしょう。盗聴器は一般の家電店には売られていませんが、比較的簡単に手に入るため、相手の気持ちや迷惑を顧みないストーカーがよく使う手段です。こうした盗聴器の発見も探偵が行います。
ストーカーされている証拠の収集
被害者の自宅周辺につきまとうストーカー、しかし、「いつ?どのように?」という情報とそれを示す証拠写真がなければ、ただの目撃証言になってしまいます。
しかも、一回だけではストーカー行為にならないので、複数回に渡って行われた証拠を地道に集めなければなりません。つまり、つきまとい行為が行われるたびに、その詳細を証拠とともに克明に記録していく必要があるのです。
そのように、ストーカー行為の実態を明らかにし証拠を積み上げることで、警察に訴える際の説得力を強化すること。それが探偵によるストーカー調査の大きなメリットです。
探偵の調査は、ストーカー行為にならないのか?
探偵が行う調査にはさまざまな方法がありますが、なんといっても主力は尾行や張り込みです。一方、ストーカーのつきまとい行為は狙った相手の家の付近に居座って監視したり、勤め先の前で待っていたりします。また、後をつけ回して行動をチェックすることもあるでしょう。
考えてみれば、ストーカーと探偵は同じことをやっているではありませんか。それならば、探偵はストーカー行為に該当しないのでしょうか。
実は、ストーカーと探偵では決定的な違いがあるのです。ストーカー規制法の対象となる「つきまといなどの行為」は、恋愛感情やその他の好意のために行われる行為のことです。それに加えて、その恋愛感情などが満たされなかったことへの怨恨の感情によって行われる行為も含みます。
調査のための尾行や張り込みはストーカーとはなりません。つまり探偵とストーカーの違いは目的や動機にあるのです。
探偵の調査が違法になる場合
先述のように探偵の尾行や張り込みは、ストーカー規制法の対象ではありませんが、なにをやっても良いということではありません。探偵の調査も違法となる場合があります。
たとえば、尾行がバレているにもかかわらず、強引に尾行を続けるなど「対象者が不安や迷惑を感じるやり方」で調査を行うと軽犯罪法違反です。また、調査のために、他人が所有する家や建造物に無断で入ると不法侵入となります。
探偵だからといって特別な権限はありません。誰がやっても違法なものは探偵がやっても違法になるのです。それに加えて、「探偵業の業務の適正化に関する法律(探偵業法)」によって、順守すべき義務や規制があります。次の「ストーカーからの依頼」に関してもそれに該当します。
探偵による調査行為と法律の関係については、こちらの記事で詳しく解説しています。
探偵は「ストーカーからの依頼」は受けない
探偵の調査がストーカー行為に該当しないなら、ストーカーは探偵に依頼をすることで犯罪行為を自分で行わなくてもターゲットの情報を得ることができてしまいます。探偵がストーカーの犯罪をほう助することは、あっていいことなのでしょうか。
これはもちろん、あっていいことではありません。探偵業法では、探偵が請け負ってはならない業務を規定しており、ストーカー目的の依頼ははじめから受け付けられません。
探偵業法第9条において、「調査の結果が犯罪行為、違法な差別的取扱いその他の違法な行為につながることがわかったら、その調査業務を行ってはならない」と定められているのです。そして、ストーカーからの依頼は、これに該当します。
詳細に依頼者と調査対象者の関係性を探る
ストーカーからの依頼は当然断るものとしても、ストーカーが正直に「ストーカー行為がしたいので調査してください」というはずがありません。実際は依頼者との会話の中で、調査対象者との間にどのような関係があるのかを探り、ストーカーではないかを確かめていくことになります。
たとえば、恋愛関係なのに相手がどこかに引っ越した上、その転居先がわからないという話は、不自然です。調査対象者は、依頼者との関係を避けるために転居したと考えられます。
また、婚約者と偽って身辺調査を依頼してくるケースもあり、その二人の関係を詳しく聞くと「本当の婚約者ではない」と気がつくでしょう。
誓約書を記入させる
先述のように、探偵業法第9条には犯罪行為や違法行為につながる調査を禁止する条文があります。これは探偵の業務を規制するものですが、依頼者が探偵から得た調査結果を違法な行為に使用するのを防ぐ目的もあるのです。
そして、同法第7条には、「探偵業者は、契約する時、依頼者から“調査結果を違法な行為のために用いないこと”を示す書面の交付を受けなければならない」と定められています。つまり、違法な目的ではないとする誓約書を依頼者に書いてもらうわけです。
依頼時に不審な点がないか気を配る
探偵はこれまで数々の調査をしており、そしてその調査対象は、ほとんどが「人」です。つまり、仕事柄いつも人を観察しているのです。
なにか怪しい、なにか隠している、嘘をいっている、これらのような疑いを不審な挙動や矛盾した話などから察知していく勘は、人を対象にした探偵という仕事の中で磨かれていきます。
そして、契約までの依頼者とのやり取りで不審な点があれば、探偵ならではの勘で、それを見抜くのです。
ストーカー被害を受けたら早めに探偵に相談を
ストーカー被害を受けたら、早い段階でまず警察に相談しておくことは大切です。一回だけでなく継続してストーカー被害にあっていることを警察にわかってもらうためにも、早い段階から相談しておき、その後も被害が続いていることを、継続的に警察に相談すると良いでしょう。
それとは別に、解決に向けた動きとして、探偵に相談するべきでしょう。それもできるだけ早い段階に動き出す方が良いのです。
なかなか動いてくれない警察を嘆きつつ、ただ時間だけが過ぎていくのは危険です。また、一人で出歩くのも避けるべき状況ですから、できるだけ早く解決していくためにも探偵に相談することをおすすめします。
ストーカー行為がエスカレートする前に
知らない相手からいきなりストーカー被害を受ける場合もありますが、特に問題のない人間関係からストーカーに変貌することもあります。一度は友人、または恋愛関係か夫婦であった経緯がある、というケースも少なくありません。
最初の段階では、大した被害ではないかもしれません。しかし、ストーカーはその恋愛感情を満たすためにさまざまな手段を講じてきます。つまり、手口がエスカレートしてくるのです。
最終的に、その恋愛感情が満たされることがなく絶望的になった段階に至ると、逆上して暴力行為・殺人へと結びつく可能性があります。ですから、ストーカー行為がエスカレートする前に解決を図りたいものです。
素人だけで解決は難しい
しつこく送られてくるメールやメッセージなど、被害がわかりやすいものがあります。しかし、ストーカーが、留守中に家の中まで侵入したかどうか、盗聴器の類が仕掛けられているかどうか、素人にはわかりません。
また、逆にストーカーの動きを監視できるなら良いのですが、素人には無理です。ですから、ストーカーがなにをしているのかほとんど知らないわけです。
また、誰もがそうした被害と対策について詳しくありません。親や友人に相談しても、その親や友人もまた素人なので、有効な対策が打てるわけではないのです。もし、ストーカー被害にあったなら、その道のプロである探偵に相談することをおすすめします。
まとめ
ストーカーに対して警告を発したり逮捕したりできるのが警察の強みです。一方、探偵にはそのような権限はありません。
しかし、腰の重い警察と違い、探偵には素早い対応と調査力があります。ですから、警察に相談しても動いてくれない場合には、探偵に相談することをおすすめします。探偵の調査結果を見て警察が動き出すことも少なくはありません。
もし、ストーカー被害にお困りなら、代表者から調査員まで全員が警察OBの探偵事務所、アルシュ探偵事務所にご相談ください。優れた調査力で実態を明らかにし、警察の捜査が行われるよう、ストーカー行為の証拠をそろえます。