ホストに通い詰める妻……法的に浮気と認められるケースとは?
妻が、自分の知らないところで他の男性と親密に過ごしていたら、誰だって穏やかではいられないでしょう。例えそれがホストクラブであったとしても、許せないという方は多いはずです。
しかし、ホストは客に対して接待をするのが仕事です。そのような関係であっても、妻のホスト通いは浮気として認められるのでしょうか?
今回は、ホストクラブに通い詰める妻の行為が浮気として認められるか、慰謝料請求はできるのかについて、詳しく解説いたします。
妻のホスト通い……これって浮気?
男性にとってのキャバクラのように、女性が異性から飲酒を伴う接待サービスを受けられる「ホストクラブ」。
普段の生活とはかけ離れた煌びやかな世界で、ルックスの良い男性からお姫様のような扱いを受けられることから、女性の中にはホストに深くのめり込んでしまう方もいます。
独身女性がホストにはまってしまうのは大きな問題ではありませんが、既婚女性となるとそうはいきません。
配偶者である男性としては、「ホストに熱を上げるのは浮気じゃないのか」と思ってしまうことでしょう。
そもそもどこからが浮気なのか?
妻がホストにはまってホストクラブ通いをしていることが浮気となるかどうかについて説明をする前に、民法上で定められている浮気の定義について知っておきましょう。
まず第一に、浮気が違法行為となるのは、婚姻関係にある男女のみです。お付き合いをしているカップルでは、浮気は法律には問われないので注意しましょう。
法的な離婚事由となるのは、「配偶者に不貞行為があったとき」と定められています。これにあたる場合は、離婚の訴えを提起することができるのです。(民法770条1項1号)
夫婦関係における浮気の基準は「不貞行為」
では、この「不貞行為」とはどのような行為でしょうか。最高裁判所では、「自由な意思に基づき、自己の配偶者以外の者と性関係を結ぶこと」と判示しています。
簡単に言えば、夫婦のどちらかが他人と性行為をし、肉体関係を持つことです。
不貞行為があれば「法定離婚原因」に
配偶者が他人と肉体関係を持っていることを、明確な事実として認められる証拠とともに主張できれば、「法定離婚原因」として認められます。
法定離婚原因とは、配偶者の同意がなくても、法律上離婚が認められる事情のことです。
さらには、精神的苦痛による慰謝料請求も可能となります。
では、ホストクラブに行く妻はそれだけで不貞行為と認められるのでしょうか?答えは「いいえ」です。
ホストのサービス範囲では不貞行為に当たらない
ホストクラブはあくまで、キャストと客が一緒にお酒を飲んだり会話をするお店です。
軽いボディタッチや接近はあるかもしれませんが、ホストクラブのサービス範囲では法的な「不貞行為」にはならないのです。
そのため、妻が何度もホストクラブに通い、ホストと楽しいひとときを過ごしていることがどんなに不快だとしても、それだけでは浮気とすることは難しいでしょう。
ただし、ホストクラブのサービスを外れた個人的な関係を持っていた場合は話は別です。
妻のホスト通いを浮気として慰謝料請求できるケースとは
ホストクラブで出会った男性と、店外での恋愛が始まり、不倫関係となった……このようなケースであれば、十分に不貞行為として認められます。
「相手はホストだから関係ない」などということはありません。
妻とホストの関係を浮気として認め、慰謝料請求ができるケースとその条件について、詳しく解説していきましょう。
ホストと肉体関係がある
たった一夜の過ちであったとしても、妻がホストと肉体関係を持ったのであればそれは不貞行為にあたります。
ホストクラブが店舗として提供するサービスには、性的な接触は含まれてません。売上を上げるための枕営業だったとしても、それはホストと客ではなく、男女としての性的な関係です。
しかしこれは、「どうやら肉体関係がありそうだ」といった疑惑程度では、離婚裁判に持ち込むのは難しいです。
探偵の調査による有効な証拠がある
法定離婚原因として慰謝料を請求するためには、妻とホストの間に肉体関係があることがはっきりとわかる証拠が必要です。
その証拠とは、「性行為中の写真や動画」「2人がラブホテルに入り、数時間後に退店する様子」などです。
このような証拠の入手は、素人では簡単にできません。慣れない尾行や張り込みによって、調査をしていることが妻にバレてしまう危険性もあります。妻の怪しい行動が続いているうちに、プロの探偵に調査を依頼しましょう。
肉体関係がなければ慰謝料請求はできない
ここまでの内容を総括し、逆を言うと「肉体関係がなければ浮気にはならず慰謝料請求ができない」ということになります。
妻がホストに行くことで「恋愛気分を楽しんでるだけ」「肉体関係や不倫は一切無い」ということであれば、法律上の決まりは介入できません。夫婦の間の問題となります。
配偶者として、許すことができるか、許せないかをきちんと考えて、話し合いをしましょう。
男性のキャバクラ通いも同様!
この記事では女性(妻)のホスト通いについて解説しましたが、男性のキャバクラ通いにも当てはまります。
むしろ、夫のキャバクラ通いに頭を悩ませている女性の方が多いかもしれません。
夫のキャバクラ通いについて探偵が解説しているこちらの記事もご覧ください。
ホストクラブやキャバクラのような夜のお店で楽しむこと自体は、犯罪ではありません。しかしその行為によって、大切な家族を苦しめたり悲しませていたりしないかは、きちんと考えるべきことでしょう。
ホストと不貞行為に及んでいるかどうかは探偵に調査依頼
ホストクラブに行き始めてから妻の様子が変わった、行き先を告げずに出かけることが増えた……このような心当たりがあれば、まずは探偵に調査を依頼することをおすすめします。
もしも妻がホストと店外で会って不貞行為に及んでいれば、探偵はその証拠をしっかりと掴んでくれるはずです。
探偵による尾行や張り込みは、プロの技です。調査対象者にバレることなく、慰謝料請求にも有効な証拠を押さえることができます。
不貞行為以外にわかる事実も
探偵による調査で、ホストとの間に不貞行為が無いことがわかる場合もあります。
しかし、不貞行為以外の問題が見つかるかもしれません。例えば、ホストクラブで夫のカードを勝手に使って会計をしていたり、店舗に迷惑をかけるような行為をしているといったケースです。
探偵が掴んだ証拠をもとに、妻の行いを改めさせ、ホスト通いをやめさせることができるかもしれません。
まとめ
ホストクラブに通い詰める妻の行動は浮気にあたるかどうかについて、詳しく解説いたしました。
ホストクラブが店舗として提供しているサービスの範囲内で楽しんでいるのであれば、法的には浮気と認められません。肉体関係が無い限りは法的に浮気と認められないのは、男性のキャバクラ通いも同様です。
しかし、結婚をしている夫婦として、配偶者のその行動が認められないのであれば、夫婦間できちんと話し合う必要があるでしょう。
ホストと妻の関係を疑っている、明確にしたいという方は、「アルシュ探偵事務所」にぜひご相談ください。
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