車のナンバーから持ち主の氏名や住所を調べられる?個人を特定する方法とは。
現行の道路運送車両法において、車のナンバープレートは見やすい所に表示するように定められ、カバーで覆うことや折り返すこと等が禁じられています。そのため、車に付けられたナンバーは誰でも簡単に見る事のできる情報ですが、そこから使用している人の名前や住所などの個人情報を調べる事はできるのでしょうか?
ナンバーから持ち主の名前や住所を知りたいという方はどのように調べたらいいのか、その方法をご紹介します。
ナンバープレートに記されている内容とその意味

車ナンバーは露出されているので誰でも見る事ができます。ナンバーを一目見るだけでその内容からわかる情報もあります。
ナンバープレートに記載されている内容やその内容が示している意味はどうなっているのでしょう。
- 地名
- 3桁の数字
- プレートの色と文字の色
- ひらがな
- 一連指定番号
それぞれ解説します。
地名
ナンバープレートには地域名が表示されています。この地名はその車の使用本拠地を管轄する『運輸支局』や『自動車検査登録事務所』の所在地名となっています。
原則的には所有者の現住所を使用本拠地とするので、ナンバープレートに記載されている地名から所有者が住んでいるおおよその地域が推測できることもあります。
※2006年10月から『ご当地ナンバー』が導入されるようになり、運輸支局や自動車検査登録事務所の所在地以外の地名が申請できるようになったので別の地名になっているケースもあります。
3桁の数字(アルファベットが含まれることも)
地名の隣に3桁の数字が並んでいますが、こちらは車の種類や用途を区別するための分類番号です。
たとえば、普通乗用車ならば1桁目の数字が3、小型乗用車や軽乗用車は5、特殊用途自動車は8といったように車の大きさや用途によって区別されています。
ちなみに下2桁はナンバーが申請者の希望した番号かそうでないかを表すものとなっていて、アルファベットが使われる事があります。
プレートの色と文字の色
プレートの色と文字の色から自家用か事業用か、軽自動車か普通自動車かの区別もできます。
- 黄色のプレートに黒色文字…自家用軽自動車
- 黒色のプレートに黄色文字…事業用軽自動車
- 白色のプレートに緑色文字…自家用普通自動車
- 緑色のプレートに白色文字…事業用普通自動車
※地方版の図柄入りナンバープレートやオリンピックなどの特別仕様ナンバープレートもあり、本来白色プレートではないものが白地になるケースもあります。
ひらがな
プレートにはひらがな一文字が表示されています。このひらがなも用途の区分を表しています。
たとえば、事業用車両は「あ~こ、を」、事業用軽自動車は「り、れ」、レンタカーは「わ」(軽自動車は「れ」もある)などのルールがあります。
※米軍の退役軍人などの車両にはアルファベットが使われる事もあります。
一連指定番号
ナンバープレートで一番大きく表示されているのが一連指定番号です。『・・・1~99 99』までの数字が組み合わされていますが、こちらは順番に割り当てられて交付されるか、有料で希望する番号を選ぶ(抽選になるケースもある)こともできます。
車のナンバーから個人情報を調べたい理由は?
車の持ち主の氏名や住所などの個人情報を知りたい理由は人それぞれだと思いますが、たとえば次のようなケースでナンバーに登録された情報を取得したいと考える方がいます。
- 当て逃げにあった
- 私有地に無断駐車されている
- 配偶者の浮気相手を突き止めたい
- 騙された相手に逃げられた など
探偵への相談でよくある具体的な例で言うと
『パートナーが浮気相手に送迎されている所を見た。車のナンバーがわかるんだけど、相手の特定できますか?』
『マッチングアプリで会った相手とデートしたんだけど、お金を貸したら逃げられた。車のナンバーがわかるけど探せますか?』などです。
ナンバープレートを見るだけで多少の情報は得られるものの、こういった理由があって個人を特定したいのであれば一見して得らえる情報では足らず、もっと詳しく知りたいと思うことでしょう。
車のナンバーから所有者を特定する方法

車のナンバーに登録されている所有者の詳しい情報を取得したい場合はどうしたらいいのでしょうか。
- 登録事項証明書の発行
- 警察に届ける
- 探偵に依頼
それぞれの方法を詳しく解説します。
登録事項等証明書の発行
車のナンバーから所有者を特定したいとしたら、陸運支局や自動車検査登録事務所で『登録事項等証明書』を発行してもらえば情報が得られます。
ただし、この証明書の発行において、以前は車のナンバー(自動車登録番号)さえわかれば入手することができたのですが、個人情報保護法の施行や道路運送車両法の改正に伴い、2006年11月20日以降はナンバーだけでなく『車台番号下7桁』などの情報も必要になり、第三者からの請求はかなり困難と言えます。※車台番号は基本的に車検証やエンジンルーム、運転席のシート下やダッシュボードなど、外部から確認するのが難しい場所にしか記載されていません。
さらに、請求の理由が正当と認められるような場合でなければ発行されることはありません。
また、軽自動車の場合は軽自動車検査協会発行の『検査記録事項等証明書』ですが、こちらは請求できるのが所有者もしくは所有者からの委任者に限られています。加えて請求の時点で所有者の住所や氏名の記載が基本的に必要となります。
車のナンバーだけで「登録事項等証明書」の請求ができるケース
基本的に車のナンバーだけで登録事項等証明書の請求は難しいと考えられるのですが、例外的に次のような場合は正当な理由があるとして車台番号がわからないような状況でも発行してもらえる可能性があります。
- 私有地に放置された車両の所有者や使用者確認のため
- 裁判手続きに関する公的書類として必要 など
警察に届ける
車の持ち主について調べたい場合、刑事事件に係わるような内容が理由であれば警察に相談し被害届などを出すことで警察が捜査を行い車のナンバーから照会する等して個人が特定される可能性もあります。
- 当て逃げ
- ひき逃げ
- 盗難にあった など
事件性があるようならば警察に捜査してもらえる可能性がありますが、『浮気相手を探したい』などの民事問題である場合、警察は不介入となっているため残念ながら捜査してもらえることはないでしょう。
関連記事:人探し、警察で調査できる・できないの基準とは?警察以外に依頼するなら探偵へ
探偵に依頼
探偵だからといって登録事項等証明書を入手できるという事はありません。発行の条件は一般の方と同じなので、車台番号がわからなかったり正当な理由がない場合は交付してもらえないです。
しかし、探偵は人探しなどさまざまな調査のプロです。そのため、車のナンバーから所有者の住所や名前などの個人情報を調べられる可能性があります。
探偵が個人を特定する方法としてはナンバーから地域を割り出したり、張り込みや聞き込み、尾行などの探偵業法に則った合法的な調査を行うことになります。
車のナンバー以外にも、車の色や形、車を見た場所や時間など小さな情報でも所有者特定に繋がる可能性があるので、探偵に相談する際は伝えるようにするといいでしょう。
これは一般の方でも可能な手法ではありますが、探偵には豊富な調査経験やノウハウがありますので素人が探すよりもはるかに高い可能性で特定できます。
関連記事:どうやって人探しする?元刑事の探偵が人探しの方法を教えます!
まとめ
車のナンバーから使用者を特定する方法としては、登録事項等証明書の交付を受けて確認する方法がありますが、外部からは確認が難しい車台番号が必要であったり正当と認めらえる請求の理由が必要になります。そうなると、所有者と面識のない者からの請求は例外を除き極めて困難と言えます。
事件性があり被害が明確になっている場合は警察の捜査で車のナンバー照会等が行われ所有者の特定がされることもあります。
しかし、残念ながら民事事件に関しては警察の捜査が行われる事がありません。
『配偶者の浮気相手について知りたい』『騙された相手を探したい』等、警察の捜査の対象にならないようなケースは調査のプロである探偵に依頼して車の持ち主を特定する方法が有効でしょう。
